宿泊施設のブランドを運営をする上で、どんなお客様が自社に魅力を感じ、
どのような動機で宿泊を決めるかの仮説を立てることは必要不可欠です。
ブランドの世界観や考え方に共感し、最も価値を理解してくれるユーザー、
いわゆるブランドのファンと呼べるペルソナ(架空の人物像)を正しく理解することは
より理想とするブランディングへ近づくための大切な一歩となります。
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Index
|1.まず自ブランドに期待される役割を知る
|2.考えうる可能性を突き詰めていく
|3.コアターゲットから外れた層も施策次第
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1.まず自ブランドに期待される役割を知る
ペルソナ設定において重要とされるのが
「誰もが持っている潜在的な意識を一番顕在化して持っている人」を探すことです。
宿泊施設において顧客の要望は多岐にわたりますが
サービスの利用や施設の使い方に関して他のお客様よりも積極的に関心があり、より高いニーズや期待を持っている人
つまり、このブランドを利用した際
「ブランドのサービスや世界観が自分の好みと一致する」ことを
一番わかりやすく望んでいる人
こそがコアターゲットであり、ブランドのファンになってくれる可能性の高い人物像なのです。
たとえばファミリー層向けのシティホテルのブランドを作ろう!となったときに
顧客が「小さな子どものいる共働きのファミリー層が思い出づくりのために」のような設定では浅く
平均を割り出しただけに過ぎません。
小さな子どもひとつとっても0〜1歳児、2〜3歳児、4〜6歳児のように
歩けるか歩けないか、コミュニケーションが取れるか取れないか、自律性が育っているか育っていないかで
全く違う行動を取るからです。
まだお話もできない小さな子どもを連れてくるファミリーが多い宿に
滑り台や室内用ジャングルジムを置いていてもあまり遊べませんし、
4〜5歳などある程度自分で動き回れる年齢の子連れが多いのに
音の鳴るおもちゃばかり置いていても退屈してしまうでしょう。
どの年齢層の子どもが何人いて、両親はどういう目的でホテルを尋ねるか、
チェックインは何時で夕食はどのようなものを期待していて…など、
より細かい情報からブランドに期待される役割を正しく理解しなければなりません。
ここがずれてしまうと期待して来たのに思っていたのと違った…となり、ファン獲得のチャンスを逃してしまいます。
逆に期待に沿ったコンテンツがきちんと用意されていれば、その体験はより印象的なものとなり
またここに泊まりたいと思わせることができます。
2.考えうる可能性を突き詰めていく
人は複数の分岐から何かを選び抜くとき、心の中に大なり小なりこだわりを持っており
自分でも気付かないうちにその条件をベースとして選択します。
そんな潜在的欲求を明らかにするためにも
一番有効な方法がロイヤルカスタマー(代表的な例がリピーター)の気持ちを知ることで、
各ホテルやオンライントラベルエージェント(略称:OTA)が実施しているレビューやアンケートが当てはまります。
なお、共働きの子連れのファミリーの視点から少し考えられるだけでも、これだけの分岐点が存在します。
・食事はどの世代でも楽しめるバイキング形式がいいか?子ども用のメニューが充実したコースが用意されている方が良いか?
・ホテル内に子どもの年齢に合うコンテンツが用意されているか?
・子どもは何歳まで添い寝できるか?万が一の際にレンタルできる幼児用品はあるか?
・子どもを一時的に預かってくれるエリアはあるか?大人も楽しめるコンテンツはあるか?
・子どもが走り回っても怪我しないよう、ホテル側の安全対策は万全か?
あくまでこれは例なので、アンケートは仮説を裏付けするツールとして利用する以上、内容をしっかり精査する必要があります。
もちろん、サンプルは多ければ多いほど正確な結果が現れるでしょう。
お客様の声を知る最大の目的は、自社にとって一番選ばれたい人
つまりこの人にこそ自社ブランドを好きになってもらいたい!という特定の人物を発見することです。
平均点を見出すだけでは結局多数の中の誰を指しているかわからず、ターゲットが不明確
ゆえに打つ手が多すぎてどれもこれも中途半端になってしまいがちです。
だからこそ、アンケートに回答したユーザー全員に共通する部分を最も多く持っている一人を見つけます。
裏を返せば、その一人には大多数の潜在意識が集約されています。
その人の欲求を満たし満足させることができれば、そこから家族や友人、SNSを通じて波及し、
多数のファンが生まれるきっかけになるのではないでしょうか。
3.コアターゲットから外れた層も施策次第
少しずれてマーケティングの話になりますが、流行るサービス・商品においてよく起こるのが
自社が想定していない使い方や見方をしている顧客が多数発生するケースです。
宿泊施設でも
・動画を撮るために部屋を借りる配信者
・人目を避けた静かな場所でひたすら執筆に打ち込みたい作家
・ちょっと良いルームサービスやお風呂があるところで
各自好きなものを持ち込んでパーティーする女性グループ
・VOD(サブスク方式)でひたすら見たかった動画を見続ける人
など想定外の利用が多岐にわたるため、そこの需要に気づいた施設は
あてはまる利用目的に特化したプランを打ち出し、強みとしてPRしています。
このようなケースもアンケートを行うことで明らかにできますし、ある程度の割合があればサブターゲットとして設定し
トライアルの結果が売上につながればブランドの強みに加えることができます。
いくら優秀なマーケターであっても、ユーザーとの間で齟齬がある可能性は0ではなく
結局のところは実際の声を集めることが何よりの証拠となります。
自社の顧客理解度を深め、隠れた欲求に答えられるようになれば
新たな魅力の確立とともに、顧客の期待を裏切らない堅実なブランドへと成長できることでしょう。
自社ブランドを成長させたいとお悩みの施設様は、是非弊社へお声かけください。